TIST131
5/28

5 柿崎明人前学校長の退任の後を受けて、今年度4月より学校長に就任いたしました。 学校長という職責の重さに身の引き締まる思いですが、精一杯努力していく所存です。何卒よろしくお願いいたします。新型コロナで明けた新年度 2月から顕著となった「新型コロナウイルス感染症」の影響を受け、本校においても4月の入学式・始業式を中止とし、各学科クラス単位のオリエンテーションで新年度がスタートしました。4月13日から遠隔授業が可能となり、5月下旬からは遠隔と対面による併用型授業とし、非常事態宣言解除後の6月からは通常の対面授業に戻りました。また、現在も感染対策を緩めることなく、学生の体調等を考慮し、「遠隔」「対面」のどちらでも出席できるよう、ハイブリット授業を全ての授業において導入しています。ICTに強いTISTを証明 今回の「新型コロナウイルス感染症」は、「対面授業ができない状況」をもたらしました。全国の教育機関は、「学生の学修機会の確保(=学びをとめない)」のための「遠隔授業」の導入、つまり「学習環境の変革(ICT利活用)」を迫られました。文部科学省の調査によると、4月当初、全国の専門学校の91・0%が授業の開始時期を延期し、遠隔授業の導入は4月22日時点で28・9%、5月11日時点で63・2%の状況で、5月末まで授業を見送る学校も見られました。そのような中、TISTでは、4月中旬までには遠隔授業の学習環境が整うなど、「授業のICT化」への対応はかなり早いものであったと言えます。実践的な職業教育の再開 ハイブリット授業を導入しながらも、TISTでは6月中旬にはほぼ全ての学生が登校しました。実技を伴う授業の場合、遠隔授業では学ぶことに限界があり、学生自身も遠隔ではなく対面での授業を強く望んでいた表れだと思います。学生たちは、常勤教員や現場で活躍される非常勤の先生方から、コロナ禍中における各業界や企業活動の実情を学び、あらためて、今起こっていることが「戦後の国際社会がこれまで経験したことのない、未曾有の経済危機」であることを再認識しました。 この状況の中、関係機関の皆様のご協力をいただき、連携授業が3学科で再開し、こども未来学科では保育所保育実習・施設保育実習・幼稚園教育実習、自動車整備工学科ではディラーや整備工場等での自動車整備実習、建築環境学科では茨城県建設業協会との現場実習が行われました。いずれの実習も、学生一人ひとりが「感染予防(うつさない)」と「健康の確保(もらわない)」を徹底し、緊張感の中での学びとなりました。Withコロナ禍中での 新たな教育活動 現在、新型コロナウイルス第3波の到来が現実化しつつあることに加え、インフルエンザ流行期に突入することから、今後、予測できない事態を懸念する声が聞かれます。また、文部科学省では、これまでの「教育をとめない」ための「教育のICT化」から「ハイブリッド授業の標準化」を進めています。この取り組みは、長期化が予測されるコロナウイルス感染症拡大への備えだけでなく、国の施策「Society5.0」でも掲げられたICTを利活用した今後の新たな教育の在り方、授業の仕組みの創出として重要な位置づけとなりつつあります。その実現には、「遠隔授業」や「ハイブリット授業」がこれまでの「対面授業」と遜色ない、むしろそれ以上の教育効果をもたらすことの証明が必要となります。今後、各教育機関においては、「コロナ禍中での新たな教育活動」の在り方が問われ、年度末にはその成果が評価されることになります。「教育の質向上」を目指して 職業実践専門課程においては、将来の育成人材像を踏まえた職業教育により、学ぶ側が「職業観を高め、社会で生きていくための力を付け、達成感をもって卒業する」ことが最終目標にあります。そのために教える側=教師は、確かな専門性と人格が必要とされます。教育方法の研究は勿論、教師自らが業界や企業等との関わりから学び、ひとり一人の教育を通して文化水準の維持と向上に寄与し、社会の一助とならなければならないと考えています。 コロナ禍中でのハイブリット授業により、対面で向き合う学生とモニターを通して向き合う学生の想いや理解度を同時に感じとり、適切な助言ができる力も求められています。どのような状況下にあっても、教育はとめられず、その「教育の質向上」にためには、「昨日より今日、今日より明日」の精神で教師としての学びもとめることなく、「TISTで学べて良かった」という学生を一人でも多く社会に輩出できるよう、精進してまいります。 最後となりますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。学校長就任にあたって 筑波研究学園専門学校 学校長 野口孝之

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る