TIST123隠し
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4卒業特集業特集わる通信手段としてだけでなく、インターネットを介して通販サイトにアクセスして買い物に利用したり、検索マシンにつないで百科辞書代わりに使うこともでき、駅の改札口でかざして切符の代わりをすることもできます。今やスマホの普及率は80%に達していて、私たちは、スマホなしの生活が考えられないネット社会に生きているといっても過言ではありません。 しかし、ネット社会の中でコミュニケーションの選択肢が増えているのにもかかわらず、若者のコミュニケーション能力の不足が指摘されることもしばしばです。実際、TIST卒業生が働いているさまざまな会社や企業団体の方からも、本校の教育活動のなかで、学生のコミュニケーション能力の向上にも重点を置いて欲しいと要望されることも少なくありません。求められる コミュニケーション能力 私は皆さんが本校に入学した際に、「TISTは総合専門学校である。本校では、将来さまざまな分野で働くことを目指す学生が学んでおり、その多様性が本校の優れた特徴の一つであって、皆さんがここで学ぶということは、自分とは異なる目的意識を持つ同年代の人々と触れ合うチャンスを得たということであるから、できるだけ多くの人と交流して人間としての視野を広げ、自分自身で考えることを身につけて欲しい。」とお願いしました。私がそう申し上げたのは、皆さんが本校卒業後、実社会で成長していくためには、自分とは違う意見を持つ人を正しく理解し、周囲の人々と一緒になって物事を考えていく力が必要だと考えているからです。 スマホの普及は、LINEやFacebookなどのSNSを利用して自由にコミュニケーションできる新たな空間を作り出しました。家族や親しい友達同士、あるいは部活の仲間、スポーツクラブの会員など、サイトに登録した人が互いに自由に情報交換できます。電車の中で隣あったもの同士がLINEで会話しているのを見かけることも珍しくありません。また、SNSによるコミュニケーションでは、サイトにアクセスできる人以外に伝わりませんから「タメ語」も使えます。 しかし、自分の意見や気持ちを短い言葉にして伝えることは簡単ではありません。むしろ、スマホを置いて相手と直接向き合って話すことのほうが、自分の考えや感情を正しく伝えられます。相手を理解するときも同様です。スマホを持たないほうが、相手の立場や情況を考えながらコミュニケーションすることができます。 会社や企業の方々が言っておられることはこのことなのです。今日のような情報化社会でこそ、人と人との直接的なコミュニケーションが重要なのだと思います。これから実社会で活躍する皆さんには、周囲の人々とのコミュニケーションを大切にし、一緒になって物事を考えていく力がこれまで以上に必要とされているといって間違いありません。「卒業研究」と コミュニケーション 皆さんの中には、自分のコミュニケーション能力に自信が持てないと思っている人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。むしろ、皆さんが在学中にコミュニケーション能力を高め、周囲の人々と話し合い、理解し合う力を身につけてきたと思っています。 「卒業研究」のことを思い出して下さい。卒業研究では、卒業年次の学生数名ずつがグループを構成し、約半年間かけて研究に取り組みます。グループ研究の特長は、それぞれの学生がこれまで学んだ専門知識や技術、新たに調査して得た情報などを互いに補い合って研究を推進し、一人では成しえない大きな研究成果を得るところにあります。グループで卒業研究を推進していく過程や議論を重ねる中では、グループ内で考え方の不一致を生じることもあったかも知れません。そういった情況の中で、皆さんは相手を理解し意見の違いを克服する方法を学んだはずです。また、苦労を共にした同級生との間に友情も生まれたと思います。あるいは先生たちとの間に師弟愛とでもいうべき絆を結べたかもしれません。 私は、学生の皆さんが卒業研究によって得たものをこれからも大切にしていただきたい。どうか本校在学中にお互いの可能性を求めてともに励まし合った体験を忘れることなく、実社会に出てからも成長していただきたいと思っています。社会人として 成長することを願う 私は、本校に在籍し成長した皆さんを、自信を持って実社会へ送り出すことができます。どうかこれからも、周囲の人々とのコミュニケーションを大切にし、人生の目標を達成する努力を忘れず、社会人として立派に成長して欲しい。 本校TISTの卒業生の一人一人の人生が、これからも心身ともに健康で有意義なものであることを願ってやみません。

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