TIST121
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3特集集1.こども未来学科の 教育目標 現在、国の施策として子育て支援事業の充実が図られています。これを受け、保育の現場では保育士不足が懸念されるとともに、質の高い保育者が求められています。幼児期は人間形成の基礎を培う大切な時期です。こども未来学科(以下、当学科)では、幼児保育コース・幼児スポーツコース・児童教育コースを設置し、それぞれの特色を生かし、幼保一元化、幼保小連携を視座に置き「生きる力」を育むことのできる豊かな心をもった質の高い保育者・教育者を育成することを目標としています。2.育成人材像 (=感性豊かな保育者・教育者) 当学科が育成すべく人材は、子どもの成長を心で感じることのできる保育者・教育者です。幼児期は、植物に例えるなら地中に根を張る時期です。強くて太い根を張れるか、弱々しい根を張るか、また地中深く根を張れるか、すぐに抜けてしまう根になるか、それはいかに土づくりを丁寧に行うかにかかっています。咲いた花に水や養分をあげるのではなく、どんな花を咲かせるのか、そしてどんな実がなるのかを楽しみに土づくりをするのです。よくよく耕し、肥料を混ぜて‥。これこそが保育者・教育者の役割だと考えています。言い換えれば、土の作り方次第でその子は立派な花を咲かせ、実を熟すことができるのです。なんとやりがいのある仕事なのでしょう。その根の部分こそが、目に見えない部分、意欲であったり、思いやりであったりという心の育ちなのです。そして土づくりをした保育者・教育者には、地中で何が育っているのか、すなわち心の部分で何が起こっているのかを賢明に見極める力が求められるのです。育っていないのに育っているかのような錯覚をしてはなりませんし、望ましくない根が育とうとしている場合にも見逃してはなりません。その力こそが保育者・教育者の感性といえるでしょう。「感性豊かな保育者・教育者」、これこそが『TISTこども未来学科』が目指す人材です。3.外部機関と連携した 実学重視の教育 当学科では、「感性豊かな保育者・教育者」の育成をするため、多くの外部機関と連携した実学重視の教育を実践しています。学科構成は、3年課程(幼児保育コース・幼児スポーツコース)と4年課程(児童教育コース)、1年課程(児童教育専攻科)となっており、3年課程は豊岡短期大学、4年課程は姫路大学の課程を履修することでそれぞれ短期大学、大学教育学部の卒業資格を得ることができます。さらに短期大学・大学での学習に加えて、専門学校ならではの知識に偏らない実践を通した取り組みを行っています。中でもピアノの弾き歌い、手遊び、壁面制作等の保育実技の授業を充実させており、特にピアノレッスンは初心者からでも安心して学ぶことができます。音楽及び表現系授業の充実は、音楽・表現を手段とした人間教育の実践に結びついており、学生の感性が磨かれていきます。毎年2月に行われる集大成である卒業音楽発表会でその成果を披露しています。 また、当学科では地域との連携を重視しており、あえて付属幼稚園や保育園をもちません。多くのボランティア活動や実習を通し、保育所、保育所を除く児童福祉施設、幼稚園、介護施設等約650施設もの外部機関と連携をし、数々のご助言をいただきながら実践的な勉強の場を提供していただいております。 ほとんどの大学や短大では現状、教室に多くの学生を入れて話を聞かせるだけの授業が展開されています。その中で子どもたちに本当に心を傾けた先生の育成ができるでしょうか。 当学科では保育・教育の素晴らしさを現場の先生方から学び、その感動を自分の職業観を高めることに結びつけるプロセスを大切にしています。さらに「先生」を育てる学科であることから、教員と学生の間の人間的な結びつき、人間的な豊かさ、教育的関係の豊かさをもち合わせているのもこども未来学科の    幼保小連携教育こども未来学科長 大森 淳子

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