TIST114
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3得意科目が仕事につながる、 職業実践カリキュラム 「モノつくりの仕事に就きたいが、何を勉強すれば・・・?」現代のモノつくりの仕事は幅が広くて職種も細分化されており、そこで働く人の姿も目にしにくいため、若者のこうした悩みも止むを得ません。ものつくり学科では専門科目の実習を通して仕事を疑似体験できる、職業実践カリキュラムを展開しています。日頃から学生には「得意科目を一つ見つけよう、それが仕事(職種・企業)につながるから」と指導しています。その結果、普通高校を卒業してモノつくりへの興味と好奇心をもって入学してきた学生が、実習で得意科目を発見。校外授業の業界展示会で見学した産業用ロボットにも魅せられ、その延長で卒業研究のテーマに取り組み、産業用ロボットメーカに就職するという事例が数多くあります。 職業実践専門課程を代表する授業は「造形工作Ⅰ・Ⅱ」です。企業の方を講師にお招きし、汎用工作機械を用いて金属や木材、アクリル等の素材の特性に応じた加工方法をご指導いただいています。時には厳しい声が飛び交っていますが、心地よい緊張感があり学生にも好評の実習授業です。 当学科には3つのコースを設置していますが、入学して半年間(前期)は共通カリキュラムで専門基礎科目を履修します。後期からコース変更を行うことができ、希望により変更を行う学生が多く見受けられます。これでミスマッチを未然に防げ、学生の将来に一歩道が開けます。電子機械系エンジニアの育成、 メカトロニクスコース メカトロニクスコースでは、日本が世界をリードしている産業用ロボット業界をはじめ、産業技術界でニーズの高い電子機械系エンジニアを育成しています。県内唯一であるメカトロニクスコースを卒業した卒業生は、大手メーカーや地元の中堅企業で第一線の技術者として活躍しています。人の代わりに仕事をする自動機械や産業用ロボットの仕組みと使い方(プログラミング)について実践的に学びます。 主な専門授業科目はCAD利用技術、NC(数値制御)プログラミング、CAD・CAM演習、造形工作、シーケンス制御などの実習があり、総合実践演習ではチームでロボットを作り上げます。学びの証としてCAD利用技術者試験合格を目指します。 また、学生に好評のインターンシップ(企業実習)は、職業観の育成と進路選択にもつながっています。(社)茨城研究開発型企業交流協会とひたちなかテクノセンターのご協力のもと、地元企業様にてご指導を頂いております。 なお、28年度にはメカトロ汎用工作機械の次はNC工作機械の実習へ新モノつくりスタイル、3D CADと3Dプリンタものつくり学科はメカトロニクス、電子制御、電子機械システムの3コースからなり、メカニクス・ソフトウェア・ハードウェアの視点を併せ持つ、企業が求めるモノつくり技術者を育成する本校伝統の学科です。「仕事につながる、職業実践カリキュラム」は、職業実践専門課程として文部科学省の認定を受けています。職業実践カリキュラム、 新しいモノつくりの仕事へものつくり学科学科長 鈴木一男 筑波研究学園専門学校は、昭和62年4月、産学連携の趣旨により設立され、今日までつくばの各研究機関や民間企業からご協力をいただきながら職業教育を実践してまいりました。 平成26年度より発足した文部科学省「職業実践専門課程」、平成31年スタートに向けて検討が進められている「専門職大学」に向けても、学校法人としての最重要テーマとして位置付け、推進しています。当機関誌でも「職業実践専門課程」への学校全体としての取り組みを繰り返し紹介してきましたが、今回から、各学科の教育現場に視点を移して3回シリーズでレポートしていきます。

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