TIST108
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4新年度スタート特集年度スタート特集①修業年限が2年以上② 専攻分野に関する企業・団体等(以下企業等)との連携体制を確保し、授業科目の開設その他の教育課程の編成を実施③ 企業等と連携して実習:実技:実験または演習の授業(以下実習・演習等)を実施④ 全課程の修了に必要な総授業時数が1700単位時間以上又は総単位数が62単位以上⑤ 企業等と連携して教員に対し専攻分野における実務に関する研修を組織的に実施⑥ 学校関係者評価を行い、その結果を公表等となっている。特に企業等が参加する「教育課程編成委員会」や「学校関係者評価委員会」の設置などを求め、企業等との連携による職業教育で大学教育との相違を鮮明にしている。 この「職業実践専門課程」の制度によれば、都道府県を経由しての文部科学省への申請が、平成26年1月に締め切られた。その結果、全国の専門学校が認可を申請し、平成26年4月1日の時点で最終的に「472学校1373学科」が認定された。現在、全国には、3000校を越える専門学校があるとされていることから、この認定を受けた学校は、「全体の6分の1」ということとなる。なお、茨城県内にあっては「8校23学科」であり、県南地域ではTISTのみという現況である。「TISTの 教育理念」と合致 TISTは、昭和62年(1987年)に開設されたが、その教育理念は「産学協同による実学重視」というものであった。この教育方針のもとで今日まで「27年の歩み」を重ね、数々の実績を挙げて産業界を始め地域社会からは高い評価を受けてきた。そして数年後には、「創立30周年」を迎えようとしている。丁度そうした時期に新しい「職業実践専門課程」が誕生したということは、実に良いタイミングと言える。 専門学校の制度は、発足以来、専門学校卒業後に大学編入が認められるなど、段階的見直しが行われてきた。そして、この職業実践専門課程は、数年後には「専門大学」(仮称)という学校制度に発展的に整備されると言われている。その意味でも、この課程の誕生は、専門学校にとって画期的出来事といえる。TISTとしての    「具体的取り組み」 この職業実践専門課程が公示された直後から、TISTではその認定に向け具体的取り組みを開始した。その内容は次の通りである。(1) 学校構成(2年/3年/4年)①ものつくり学科(メカトロニクス/電子制御/電子機械システムの3コース)②自動車整備工学科(1級整備士/2級整備士/車体整備士の3コース)③建築環境学科(建築設計デザイン/建築土木施工/建築士専攻の3コース)④経営情報学科(情報処理・デザイン/総合ビジネス/公務員・事務管理の3コース)⑤医療情報学科(診療情報管理/医療情報/医療福祉の3コース)⑥幼児保育学科(幼児保育/幼児スポーツ/児童教育専攻の3コース)(2)産学連携の強化産業界・有識者の協力を得て「教育課程編成委員会」を設置(3)企業実習の制度化インターンシップによる学習成果を単位認定(4)履修科目の単位化全教科目を大学・短大と同基準で判定し履修結果を単位化(5)教員研修制度の導入「全教員共通の研修」と「各教員の自己申告による研修」という2本建の制度導入(6)学校評価の実施これまでの「授業改善評価制度」に加え「学校関係者評価委員会」を設置し、教育の資質向上に努力「専門大学制度」の 発足に備えて 既述したように、この「職業実践専門課程」は、新しい教育制度としての「専門大学」(仮称)の制定を念頭においているといわれる。この点については、TISTは「研究学園都市つくば」に立地する「産学連携による高等教育機関」の時代到来を予測し、既に準備に着手している。具体的には、TISTの広大な敷地内には、「一般財団法人総合科学研究機構」(CROSS)、「一般財団法人つくば新大学システム機構」(T-NUS)、「一般財団法人茨城県郷土文化振興財団」(茨郷振)という3つの公益文化団体の存在である。 CROSSは、東海村に設置するJ-PARCという大型研究施設に関係する機関で、中性子科学の分野では国際的にも広く知られている。またT-NUSは、筑波研究機関や地方自治体と協同で設立された機関で、新しい大学システムの具体化を目指している。そして、茨郷振は、地域社会に密着した文化振興団体である。これらの団体には、社会経験豊かな学識者が数多くおり新しい時代に相応しい高等教育機関を具体化させることが可能となっている。

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