TIST120
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4新年度スタート特集年度スタート特集いた実学重視の職業教育」を推進するとともに、産学連携に基づいた教育活動の調査・研究も行ってきました。 また、TISTが「つくば」に隣接して立地する地の利を生かして先端科学技術に関与していくために設置された学術研究機関のネットワーク「一般財団法人総合科学研究機構CROSS」は、TISTの研究アクティビティの強化とTISTにおける実学重視の職業教育を側面からサポートしてきました。総合専門学校TISTの展開 2004年の「幼児保育学科(現、こども未来学科)」と次年度の「自動車工学科(現、自動車整備工学科)」の開設は、教育分野への新たな進出と工業系分野の拡充という意味でTISTの大きな転換期でした。「時代と共に変わる専門分野と社会が求める人材需要」に的確に対応した学科の新設であったと同時に、「総合専門学校TIST」のスタートでもありました。 総合専門学校の利点は、さまざまな職業分野の人材を育成するというだけでなく、専門学校に在籍する学生が自分と異なる目的意識を持つ学生と接して多様な考えを受け入れ、幅広い視野に立って物事を考える機会を増やすところにあります。 私立学校の運営という観点からもメリットがあります。専門学校に入学する学生の数は、社会情勢や産業構造の変化の影響を受けて大きく増減することもあります。しかし、多くの職業分野をカバーする総合専門学校では、入学者数の変動を学校全体としては小さく押さえることが期待できます。また、工業系学科の充実している総合専門学校には、専門学校に対する世間一般の好感度が良くなる傾向があります。医学部のある私立大学がそうでない大学に較べて社会的評価が高くなりがちなのと同様です。変わらぬ「産学協同」の教育方針 総合専門学校への転換期から10数年が経た今日、TISTでは、ものつくり学科、自動車整備工学科、建築環境学科、経営情報学科、医療情報学科、こども未来学科の全6学科に約700名の学生が在籍しており、毎年約300名がTISTを卒業して各職業分野の将来を担う社会人として巣立っていっています。「産学協同の趣旨に基づいて産業界と密接に連携して職業教育を行う」というTISTが掲げた基本方針は、設立から30年を経た今も変わっていません。 学生一人一人に合わせたきめ細かな就職指導もTISTの特長の一つです。卒業生の就職率は毎年ほぼ100%に近く、県内外の会社、企業、施設、病院や自治体などの職場でその中核となって働いています。これまでの卒業生は累計で9000名を超え、入学してくる学生の中にTIST二世がいることも珍しいことではありません。 これらは、TISTの設立以来30年間にわたる揺るぎない教育方針に基づいた人材育成が、地元企業や地域社会で高く評価されて多くの人々の信頼を得ている証拠であり、TISTが誇る財産です。航空産業分野への進出 2013年に学校法人筑波研究学園が茨城県の要請を受け入れる形で、取手市にある航空専門学校の事業を継承し、「成田つくば航空専門学校N-TAC」を設立して航空産業分野へ進出することになったのも、前項で述べた本学校法人やTISTに対する行政機関、地域社会の評価の高さを示す出来事でした。事業を継承して以後、ハンガー設置、エプロンの整備、実習機の購入など、N-TACでは教育環境の整備が着実に進んでいます。 N-TACでの教育方針は、基本的にTISTと同じです。N-TACでは、成田と羽田の2つの国際空港に近い立地を活かし、航空産業分野の総合学園として同一法人校TISTとも連携して実学重視の職業教育が行われています。N-TACの教官だけでなく、航空機産業で働く現役企業人による講義や演習、さまざまな会社や企業と連携した体験学習やインターシップも実施していて、学生が実際の職業に触れることに重点を置いた実践的職業教育が行われています。 4年前の事業継承時に50名に満たなかった学生数は、その後徐々に増加し(現在約120名)、これからも増える傾向にあります。N-TACでの教育活動の成果が少しずつ現れてきているといっていいでしょう。伝統の継承 以上述べてきましたように、学校法人筑波研究学園の教育事業、教育活動は、高良初代理事長、西谷前理事長はじめ諸先輩の力に支えられて大きく発展してきました。また、専門学校TISTとN-TACは、毎年数多くの優れた人材を実社会に送り出すことによって高等教育機関としての地位を確立するとともに、多くの会社や企業、地域社会あるいは行政の信頼も得てきました。 私ども教職員は、学校法人が創設以来掲げてきた「産学協同による実学重視」の教育方針をこらからも堅持し、これまでの伝統と信頼を大切にして、TISTとN-TACに

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