TIST120
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3新年度スタート特集年度スタート特集はじめに 本年5月29日に開催された学校法人筑波研究学園の理事会において理事長に就任いたしました。本学校法人創設の準備段階から今日まで30余年にわたって本法人を率いてこられた西谷隆義前理事長が去る4月7日に逝去されたことに伴うものです。私自身は、5年前から筑波研究学園専門学校(TIST)に学校長として勤務し、また昨年4月からは成田つくば航空専門学校(N-TAC)校長を兼務しておりますが、本学校法人の運営に直接かかわるのは初めてです。先輩諸氏のご意見を伺い、教職員の皆様と協力しながらTISTとN-TACを含む学校法人全体の発展に微力を尽くしていく所存でございますので、よろしくお願いいたします。新しい産業人を育む 「学校法人筑波研究学園」 1985年に「筑波研究学園都市」で開催された「国際科学技術博覧会EXPO’85」を契機に、「つくば」に新しい産業を育てる「科学技術都市」を構築すること、そしてそこで活躍する「若い産業人」を育成する「新しい高等教育機関」の必要性を訴える声が地域社会で大きくなっていきました。そうした声に呼応して高良和武初代理事長(現、名誉理事長)や西谷前理事長をはじめ多くの方々が参集し、専門的職業を目指す人材を育成する「産学協同を趣旨とした新しい高等教育機関」の創設について検討を重ね、その運営母体しとして「学校法人筑波研究学園」が誕生しました。当初は工業系の大学を目指していた高等教育機関の設立構想は、その後の検討でより早期に実現可能な専修学校専門課程(専門学校)の設立へと変更され、1987年4月から「筑波研究学園専門学校TIST」による人材育成が始まりました。電子・情報系の小さな専門学校 TISTは、1980年代のわが国におけるコンピュータの急速な普及による情報化社会の進展を背景に、情報処理分野での人材育成を目的とし、電子情報学科、システム学科、情報秘書学科、情報ネットワーク学科、応用システム学科の5つの学科に208名の入学生を迎えてスタートしました。その後、社会のさまざまな分野でコンピュータによる情報処理、画像作成などが活発になり、「キーボードに抵抗なく向き合える若い人材」を求める声に応えて、TISTの教育活動は医療情報分野、グラフィックスやデザイン分野へと拡大していきました。社会が求める人材像に対応しながら、当初設立された情報系5学科が進化を繰り返していったといってもいいかもしれません。「変えないために変えてきた」 5つの学科で行われていた職業教育のうち比較的ハードウェアに近い領域は、電気・電子工学やメカトロニクス分野を担う人材育成のための学科として、現在の「ものつくり学科」に受け継がれています。一方、ソフトウェアの中核部分は、「経営情報学科」の情報処理・セキュリティコースのなかにその軌跡があります。現在のTISTにある「医療情報学科」や「建築環境学科」も、そのルーツを最初に設立した5学科に見いだすことができ、そこから教育活動が拡大・発展して生まれた学科と理解できます。 設立から10年後に、TISTは電子・情報系だけでなく、医療・福祉系、経営・経理系、建築・土木・デザイン系の学科を擁し、毎年多くの若者が入学して専門学校としての地位を確立していました。「産学協同」に基づいて教育活動を行っていたからこそ、社会の変化に迅速に反応して専門学校TISTの体制を変えて発展することが出来た、あるいは社会の変化に左右されない教育活動の基本方針を「変えないために(学科構成を)変えてきた」ともいえます。「筑波CS会議」と「CROSS」 この間、TISTの学生が実際の職業に直接触れる機会を増やすために、さまざまな会社や企業団体によってインターンシップ支援機関「筑波CS会議」が設立されました。「筑波CS会議」は、TISTと連携して「産学協同に基づ理事長就任のごあいさつ学校法人 筑波研究学園 理事長 柿崎明人

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